おもちゃを一列に並べるのは自閉症?2歳児の「こだわり」行動の理由と見守り方
2歳のお子さんをお持ちのママさん、パパさん、日々の育児、本当にお疲れ様です!
ふとお子さんの遊ぶ様子を見たとき、こんなことはありませんか?
- 「ミニカーをひたすら一列に並べている」
- 「積み木の色の順番に強いこだわりがある」
- 「少しでもズレると怒って直す」
「これってただの遊び?それとも何かのサイン…?」
「私の接し方が関係しているのかな?」
そんなふうに、小さな不安を感じてしまうこともあるかもしれません。
独特なこだわりを目にして戸惑うのは、親としてとても自然な気持ちです。
実はこの行動、「秩序の敏感期」と呼ばれる成長の大切な過程であることも多いのです。
今回は、そんな2歳児の「こだわり」行動の理由や見守り方のヒントについて、一緒に考えていきましょう。
2歳児がおもちゃを一列に並べるのはよくあること?
ママさん、パパさん、お子さんがミニカーや積み木をひたすら一列に並べている姿を見て、「これって大丈夫なのかな?」と心配になったことはありませんか?インターネットで検索するといろいろな情報が出てきて、不安になってしまうこともあるかもしれません。
しかし、どうぞ安心してください。「並べる=自閉症」とすぐに直結させて不安になりすぎる必要はありません。実は2歳前後は「秩序」に敏感になる時期であり、自分なりのルールで物を並べたくなる行動自体は、決して珍しいことではないのです。
「並べる」行動は成長のステップ
おもちゃをきれいに並べるためには、指先を細かくコントロールする力や、並べている間の持続的な集中力が必要です。つまり、この行動はお子さんの集中力や指先の器用さが順調に育っている証拠でもあるのです。
子どもの発達には個人差が大きいため、その時期特有のブームのようなものとして、まずはその子なりの成長の過程を見守ってあげましょう。もし、呼びかけに全く反応しないなど他にも気になる様子があり、ママさん、パパさんの不安が強い場合は、小児科や地域の保健師さんなどに相談してみるのも良いでしょう。
なぜ並べたがるの?行動の背景にある心理
お子さんがミニカーやブロックを一列にきれいに並べている姿を見て、「どうしてこんな遊び方をするんだろう?」と不思議に思ったことはありませんか?
今までとは違う遊び方に戸惑うママさん、パパさんもいるかもしれませんが、実はこれ、子供の発達においてとても大切な意味を持つ行動の一つなのです。
「秩序の敏感期」とは
この時期の子供特有のこだわりには、モンテッソーリ教育などで言われる「秩序の敏感期」が大きく影響していると考えられます。
これは、子供が世の中の仕組みやルールを理解しようとする過程で、「いつも同じ」であることに強くこだわる時期のことです。場所や順序、手順などが決まっていることに心地よさを感じ、それが世界の基準になっているのです。
自分のルールを確認して安心している
おもちゃを並べるという行動は、子供が自分なりの法則性を見つけ、予測可能な状態を作ることで安心感を得ている現れでもあります。
また、単に並べているだけでなく、色や形への興味の芽生えであることも少なくありません。「同じ色」「同じ形」を集めて並べることは、分類する力が育ってきている知的な発達の証拠とも言えるでしょう。
多くの場合は成長過程に見られる一時的な行動ですが、もし呼びかけに全く反応しないなど、どうしても心配な点がある場合は、ひとりで悩まずに小児科や地域の保健師さんへ相談してみてくださいね。
自閉スペクトラム症(ASD)の傾向との違いは?
2歳前後のお子さんがおもちゃを一列に並べる姿を見ると、「もしかして発達に特性があるのでは?」と心配になるママさん、パパさんもいらっしゃるかもしれません。この時期特有の「秩序の敏感期」による行動なのか、自閉スペクトラム症(ASD)などの特性によるものなのか、その違いを見極めるのは難しいものです。
ここでは、ご家庭で様子を見る際の一般的なチェックポイントをご紹介しますが、これらはあくまで目安であり、医師による診断ではない点にご注意ください。
遊びに変化を受け入れられるか
一つ目のポイントは、遊びの中に他者の介入や変化を受け入れられるかどうかです。例えば、ママさんやパパさんが「これ、ここ置いてもいい?」と遊びに参加したり、並んでいるおもちゃの順番を少し変えてみたりした時の反応を見てみましょう。
一時的に怒ったり嫌がったりしても、その後すぐに気持ちを切り替えて遊び続けられる場合は、成長過程の一場面であることが多いと言われています。一方で、自分のルールが崩されることに激しいパニックを起こしたり、何時間もその遊びだけに没頭し続けたりするなど、「こだわり」の強さや頻度が生活に支障をきたすほどである場合は、特性によるものの可能性も考えられます。
コミュニケーションが取れているか
二つ目のポイントは、人との関わり方や社会性の部分です。おもちゃを並べ終えたときに、「見て!」「できたよ」といった表情でママさん、パパさんの方を見て、喜びや達成感を共有しようとする姿はありますか?
もし、視線が合いにくい、名前を呼んでも反応が薄い、こちらの働きかけに関心を示さないといった様子が見られる場合は、発達の特性としてのこだわりである可能性もあります。少しでも不安を感じる場合は、一人で抱え込まずに、小児科や保健センター、地域の相談窓口などで専門家に相談してみてくださいね。
並べること以外にチェックしたい発達のサイン
お子さんがおもちゃを一列に並べる姿を見ると、何か理由があるのではないかと不安になってしまうママさん、パパさんもいらっしゃるかもしれません。ですが、一つの行動だけで判断せず、全体的な様子を見ることがとても重要です。
2歳頃は発達のスピードに個人差が大きく、月齢による違いもあります。「並べる」という行動も、秩序を学ぶ成長の一過程である場合が多いものです。まずは落ち着いて、他の発達サインと合わせて総合的に見ていきましょう。
指差しや視線などの非言語コミュニケーション
日常生活の中で、言葉以外のコミュニケーションがスムーズに取れているかどうかが一つの目安になります。たとえば、名前を呼んだ時にパッと振り返り、ママさんやパパさんと目が合うでしょうか。
また、意思表示としての「指差し」が出ているかも大切なポイントです。以下のような指差しが見られるか確認してみてください。
- 要求の指差し:欲しいお菓子やおもちゃを指差して取ってほしがる
- 応答の指差し:「ワンワンどれ?」と聞かれた時に、犬のイラストなどを指差す
言葉の遅れや特徴的な行動
コミュニケーションの面だけでなく、特徴的な体の動きがないかも気にかけてみましょう。言葉の発達がゆっくりだったり、質問に対してそのまま言葉を繰り返す「オウム返し」が見られたりすることもあります。
その他にも、以下のような行動が見られる場合は、特性の一つの可能性として知っておくと良いでしょう。
- 逆さバイバイ:バイバイをする時に、手のひらを相手ではなく自分の方に向けて振る
- クレーン現象:欲しい物を取る時などに、親の手を持って道具のように使おうとする
もしこれらのサインが複数当てはまったり、育てにくさを感じて不安な場合は、一人で悩まずに小児科医や自治体の保健師などに相談することをおすすめします。専門家に話を聞いてもらうことで、今後の関わり方のヒントが得られるはずです。
おもちゃを並べる行動への適切な接し方
お子さんがおもちゃを一列に並べることに夢中になっているとき、どのように声をかければよいのか迷ってしまうママさん、パパさんも多いのではないでしょうか。この時期特有のこだわり行動に対しては、安全に問題がない限りは自由にさせるという方針で見守ってあげることが基本です。
一見すると不思議な行動に見えるかもしれませんが、子どもにとっては大切な秩序を作っている瞬間でもあります。そのこだわりを否定せず、子供の世界観を尊重する姿勢を持つことで、お子さんは安心して自分の遊びに没頭できるようになります。
無理にやめさせず見守る
子どもが真剣な表情でおもちゃを並べているときは、集中力を育んでいる最中です。声をかけたり手を出したりしたくなるかもしれませんが、集中している時は静かに見守り、達成感を大切にすることを心がけてみてください。
最後まで並べ終えたときの満足感は、子どもの自信につながります。「きれいに並べられたね」と共感してあげることで、お子さんの心も満たされるはずです。
癇癪(かんしゃく)を起こした時の対応
お出かけの時間や食事の時間など、どうしても遊びを中断させなければならない場面もあるでしょう。しかし、こだわりの強い時期に無理に中断させると強いパニックになる場合があります。
まずは「まだ遊びたいね」「並べたかったね」と気持ちを受け止めてあげることが大切です。どうしても切り替えが難しい場合や、パニックが激しく日常に支障が出るほど心配な場合は、一人で抱え込まずに小児科や地域の保健センターなどで専門家に相談することをおすすめします。
「並べる」から遊びを広げるアプローチ
お子さんがおもちゃを一列に並べている姿を見ると、「このままでいいのかな?」と心配になるママさん、パパさんもいらっしゃるかもしれません。この行動はお子さんなりの秩序を楽しむ大切な時間ですが、少しの工夫で想像力や社会性を育む遊びへと広げていくことができます。
並べたものにストーリーを持たせる
単調に見える遊びでも、大人が関わることで意味を持たせることができます。例えば、並べた車を「ブーブー通ります」と動かしてみるなどの働きかけをしてみましょう。静止していた列に動きが加わることで、お子さんの中に物語が生まれるきっかけになります。
また、「次は赤い車だね」「全部でいくつあるかな?」などと色や数について話しかけ、知育につなげるのもおすすめです。遊びの中で自然と言葉や数に触れることで、楽しみながら興味の幅を広げることができます。
「ごっこ遊び」への誘導方法
遊びを発展させる際は、いきなり違う遊びに変えるのではなく、少しずつ変化を加える工夫がポイントです。並んでいるおもちゃの横に駅を作ってみたり、お人形を登場させてみたりと、今の遊びをベースに新しい要素を足してみましょう。
ただし、お子さんが自分の世界に没頭していて介入を拒むこともあります。そのような時に、子供が嫌がる場合は無理強いしないことが何より大切です。お子さんの気持ちを尊重し、楽しめそうなタイミングを見計らって、ゆっくりと関わっていってくださいね。
不安が消えない場合の相談先とタイミング
お子さんの行動を見ていて、「もしかして…」と不安な気持ちが消えないときは、ママさん、パパさんだけで抱え込まずに専門機関へ相談することをおすすめします。
ネットの情報だけで判断しようとすると、かえって不安が大きくなってしまうこともあります。専門家の視点からアドバイスをもらうことで、客観的にお子さんの状態を知ることができます。
1歳半健診・3歳児健診での相談
最も身近な相談のタイミングは、自治体が行う乳幼児健診です。ここでは自治体の保健師や小児科医へ直接相談ができます。日頃の様子や気になる行動をメモにまとめておくと、スムーズに伝えやすくなります。
もし相談をして「様子を見ましょう」と言われた場合、「何もしてもらえなかった」と落ち込んでしまうママさん、パパさんもいるかもしれません。しかし、これは決して突き放されたわけではなく、「現時点では特性かどうかの判断が難しいため、成長の過程を見守る必要がある」という意味であることが多いのです。
地域の発達支援センター
健診の時期でなくても、地域の発達支援センターや子育て支援センターなどで相談を受け付けています。専門家に相談することで、具体的な関わり方を教えてもらえたり、親自身の安心感にもつながったりします。
早期発見・早期療育のメリットは、診断名をつけることではなく、その子にとって過ごしやすい環境を早くから整えてあげられる点にあります。お子さんの個性に合わせたサポートを受けるための一歩として、まずは気軽に相談窓口を利用してみてくださいね。
編集部の体験談:一列に並ぶ積み木と、私の不安。あるあるだと知って楽になった話
娘が2歳くらいの頃、積み木を端から端まで一列に並べたり、ぬいぐるみを等間隔に座らせたりすることに、並々ならぬ情熱を注いでいた時期がありました。
少しでも列が乱されたり、自分の理想通りに並ばなかったりすると、怒ったり泣いたりと、親の私でも驚くほどの『こだわり』を見せていたんです。ネットで調べると『おもちゃを並べるのはASDの特性の一つ』という情報が真っ先に出てきて、当時は一人で深く悩み込んでしまいました。
ですが、詳しく調べていくうちに、この時期の子どもにとって『並べる』という行為は、自分の世界を整理し、理解しようとする非常にポピュラーな行動だと知りました。
娘の場合も、一度泣いてしまっても少し時間が経てばコロッと気分を切り替えられていたので、次第に『これも2歳児特有のブームなんだな』と落ち着いて見守れるようになりました。今思えば、あの真剣な横顔も、彼女なりの成長の大切な一歩だったのだと感じています。
よくある質問
おもちゃを並べる行動はいつ頃落ち着きますか?
おもちゃを一列に並べる行動がいつなくなるかについては、お子さんの性格や発達のスピードによって個人差が非常に大きいため、一概にこの時期とは言い切れません。一般的には、言葉でのコミュニケーションが増え、お友達との関わりや社会性が発達してくる3歳から4歳頃になると、ごっこ遊びなど遊びのバリエーションが広がり、自然と物を並べることへの執着が減っていくことが多いようです。ただし、並べること自体がお子さんにとって心地よい遊びである場合もありますので、無理にやめさせようとせず、成長の一過程として温かく見守ってあげることが大切です。
並べているおもちゃを片付けると激しく怒ります。どうすればいい?
子どもにとって、一生懸命に並べたおもちゃは大切な「作品」であり、自分の中の秩序が保たれている状態です。それを突然片付けられると、自分の世界を壊されたと感じてパニックになったり激しく怒ったりすることがあります。対処法としては、まず「時計の針がここに来たら片付けようね」と事前に予告をして、心の準備をする時間を与えてあげましょう。それでも崩すのを嫌がる場合は、「今のきれいな並び方を写真に撮って残そうか?」と提案するなど、お子さんが納得して片付けに取り組めるような工夫を取り入れてみてください。
ミニカーのタイヤを回し続けるのも気になります。
ミニカーのタイヤをくるくると回し続けたり、それを横目でじっと見たりする行動は、回転による視覚的な刺激を楽しむ「感覚遊び」の一種であることが多く、2歳前後の子どもにはよく見られる行動の一つです。一時的な興味やマイブームであれば過度に心配する必要はありませんが、もし他の遊びに全く興味を示さず一日中その行動に没頭していたり、名前を呼んでも全く反応しなかったりする場合は、発達の特性が関係している可能性もあります。もし様子を見ていて不安を感じるようであれば、お住まいの地域の保健センターや小児科などの専門家に相談してみることをおすすめします。
保育園では並べないのに家だけで並べるのはなぜ?
保育園や幼稚園などの集団生活では、周りのお友達に合わせたり、先生の指示に従ったりして、お子さんなりに気を張って頑張っていることが多いものです。その反動として、一番安心できるお家では「自分の好きなように遊びたい」「自分のルールで没頭したい」という欲求が強く現れることがあります。家でだけ並べる行動が見られるのは、そこがお子さんにとって心からリラックスできる安全基地である証拠とも言えます。外で頑張っている分、お家ではある程度自由にさせてあげて、本人の気が済むまで遊ばせてあげるのも一つの方法です。
まとめ
2歳の子どもがおもちゃを一列に並べる姿は、「秩序の敏感期」と呼ばれる成長の過程でよく見られる行動の一つです。すぐに障害と結びつけるのではなく、まずは温かく見守ってあげましょう。
今回のポイント
- 並べる行動自体は、発達過程で起こりうる自然な姿です。
- 行動単体だけでなく、視線が合うか、意思疎通ができるかなど、全体の様子を確認しましょう。
- 無理にやめさせる必要はありません。できた形を認めつつ、遊びを広げる関わりを取り入れてみてください。
子育て中は小さな行動でも不安になることがありますが、子どもの成長ペースは一人ひとり異なります。もし、違和感を強く感じたり、他にも気になる行動があったりする場合は、一人で悩まずに専門機関や相談窓口へ相談することをおすすめします。

