1歳

あれ?最近「イヤ!」が多い? 1歳半、もしかしてイヤイヤ期突入?【初めてのイヤイヤ期・乗り越えガイド】

1歳半のお子さんをお持ちのママさん、パパさん、日々の子育て本当にお疲れ様です!

よちよち歩きがしっかりしてきたり、大人の言うことが少しずつ分かってきたり、「ママ」「ブーブー」など意味のある言葉が増えてきたり…我が子の目覚ましい成長に、日々感動している頃ではないでしょうか。

でも、そんな成長著しい1歳半頃から、なんだか様子が変わってきた…と感じるパパさん、ママさんも多いかもしれません。

「今までスムーズだったお着替えを、全力で『イヤ!』と拒否するようになった」 「自分でやりたがるけど、うまくできなくて大泣き!」 「さっきまでご機嫌だったのに、突然スイッチが入ったように癇癪(かんしゃく)を起こす…」

「あんなに天使みたいだったのに、どうしちゃったの?」「私の育て方が悪いのかな…?」なんて、戸惑いや不安を感じてしまいますよね。

もしかしたらそれは、「イヤイヤ期」の始まりのサインかもしれません。

大丈夫です!それは、お子さんの心が順調に成長している証拠。でも、親にとってはちょっぴり(いえ、かなり?)大変な時期の幕開けでもありますよね。

今回は、初めてイヤイヤ期を迎えるパパさん、ママさんのために、イヤイヤ期の基礎知識から、1歳半頃に見られる初期サイン、そして親子で笑顔を忘れずに乗り切るためのヒントをお伝えします!

そもそも「イヤイヤ期」って何? 悪魔の時期じゃない、成長の証!

「魔の2歳児」なんていう言葉もあって、なんだか恐ろしいイメージを持たれがちなイヤイヤ期。正式には**「第一次反抗期」と呼ばれ、一般的に1歳半頃から始まり、3歳頃まで**続くことが多い、子どもの発達における自然なプロセスです。

では、なぜ子どもは「イヤイヤ!」と反抗的な態度をとるようになるのでしょうか?

「自分」が芽生えた!

1歳半頃になると、「自分」という存在を意識し始めます。「ママとは違う、自分という人間なんだ!」という自我が芽生え、「自分で決めたい!」「自分でやりたい!」という気持ちがむくむくと湧き上がってくるのです。

やりたいのに、できない! もどかしい!

「自分で靴を履きたい!」「ジュースをコップに注ぎたい!」そんな意欲は満々なのに、まだ手先が思うように動かせなかったり、言葉でうまく気持ちを伝えられなかったり…。その「やりたい」気持ちと「できる」能力のギャップに、子ども自身がイライラ、もどかしさを感じて、「イヤ!」「キーッ!」となってしまうのです。

自己主張の練習中!

「イヤ!」と言うことで、自分の意思を周りに伝えようとしています。また、親がどんな反応をするか試している側面もあります。「自分の気持ちを表現したら、どうなるんだろう?」という実験をしているようなものですね。

脳がまだ発達途中!

自分の感情をコントロールする脳の部分(前頭前野)は、まだ十分に発達していません。そのため、湧き上がってきた「イヤ!」という強い感情を抑えることができず、そのまま爆発させてしまうのです。

決して、パパやママを困らせようとして「イヤイヤ」言っているわけではありません。 むしろ、子ども自身も、コントロールできない自分の感情に戸惑い、混乱している状態なのです。

だから、「魔の時期」と恐れるのではなく、「ああ、自我が育ってきたんだな」「自分でやりたい気持ちでいっぱいなんだな」と、子どもの成長の証として、まずは受け止めてあげることが大切です。

これってイヤイヤ期の始まり? 1歳半頃によくある「イヤ!」のサイン集

本格的なイヤイヤ期は2歳頃にピークを迎えることが多いですが、1歳半頃から、その「プレ期」とも言えるような兆候が見られ始めることがあります。「うちの子、これかも?」と思い当たるサインがないか、チェックしてみましょう。

とにかく「イヤ!」で返す

「お風呂入ろうか」「イヤ!」「ご飯だよ」「イヤ!」「お外行く?」「イヤ!」…何を言っても、まず「イヤ!」と首を振ったり、言葉で返したり。本心ではイヤじゃない時でも、とりあえず言ってみることも。

「自分で!」の主張と、その後の癇癪

親が手伝おうとすると、「イヤ!」と手を振り払う。でも、うまくできなくて結局「キーッ!」と大泣き&癇癪。

謎のこだわり発動

いつもと同じ道じゃないと歩かない、スプーンの色は絶対これじゃなきゃダメ、おもちゃの並べ方が違うと怒る…など、大人には理解不能な、些細なことへのこだわりが強くなる。

気分のジェットコースター

さっきまでニコニコ笑っていたのに、次の瞬間には大泣き。理由がよく分からないことも多く、感情の起伏が激しくなる。

思い通りにならないと大爆発!

欲しいものが取れない、積み木が崩れた、ボタンがはめられない…など、ちょっとしたことで、床に寝転がって手足をバタバタさせたり、大声で泣き叫んだりする(癇癪)。

あまのじゃく出現?

「〇〇しよう」と誘うと、わざと反対のことをしたり、知らんぷりしたり。大人の言うことに素直に従わなくなる。

もちろん、これらのサインの現れ方や程度、始まる時期には個人差があります。あまり当てはまらなくても心配いりませんし、いくつか当てはまっても、「いよいよ来たか!」と心の準備をするくらいの気持ちでいましょう。

どうすればいいの? 初めてのイヤイヤ期、乗り切るための心構え

いざイヤイヤ期が始まると、親もイライラしたり、途方に暮れたりしてしまいますよね。でも、いくつかの心構えと対応のヒントを知っておくだけで、少し気持ちが楽になるかもしれません。

① まずは共感!「イヤ」な気持ちを受け止める

「イヤ!」と言われたら、頭ごなしに「ダメ!」と叱るのではなく、「そっか、イヤだったんだね」「自分でやりたかったんだね」と、まずは子どもの気持ちを言葉にして受け止めてあげましょう。 自分の気持ちを分かってもらえたと感じるだけで、子どもの興奮が少し収まることがあります。

自分の感情を認められる経験は、安心感につながり、感情のコントロールを学ぶ第一歩となります。

② 危険じゃなければ、見守ってみる勇気

時間に余裕がある時は、子どもの「自分でやりたい!」を尊重してみましょう。危ないことや、どうしても譲れないこと以外は、「どうぞやってごらん」と少し離れて見守る時間も大切です。たとえ失敗しても、それは貴重な学びの機会になります。

試行錯誤を通して学ぶ経験や、「自分でできた!」という達成感が、子どもの自立心や自己肯定感を育みます。

③ 子どもに「選ばせる」

「イヤ!」ばかりで進まない時は、「こっちの服にする? それともあっちの服にする?」「公園に行く? お家でブロックする?」のように、子ども自身に選択肢を与えてみましょう。

自分で決める経験は、「自分でやりたい」という欲求を満たし、「イヤ!」と言わなくても自分の意思を通せることを学びます。

④ 見通しを立てて、心の準備を促す

遊びを切り上げる時や、次の行動に移る時などは、「ご飯を食べたら、歯磨きするよ」のように、事前に予告してあげましょう。タイマーを使うのも効果的です。

先の予定が分かることで、子どもは心の準備ができ、突然の変化に対する抵抗感が和らぎます。

⑤ 親もクールダウン!完璧を目指さない

子どもの「イヤイヤ」に付き合っていると、親だって感情的になってしまいますよね。イラっとしたら、深呼吸をする、心の中で数を数える、可能なら一旦その場を少し離れるなど、自分自身をクールダウンさせる方法を見つけましょう。毎日完璧に対応できなくて当たり前!「まあ、いっか」と肩の力を抜くことも大切です。

親が感情的になると、子どもの不安や興奮をさらに増幅させてしまいます。親の心の安定が、子どもの安定につながります。

⑥ 安全第一!

癇癪を起こして物を投げたり、頭を壁に打ち付けたりするような危険な行動が見られる場合は、まずは子どもの安全を確保することを最優先にしてください。危険なものがない場所に移動させたり、優しく抱きしめて落ち着かせたりしましょう。

⑦ 頼れるものは何でも頼る!

パパ、おじいちゃん、おばあちゃん、地域のサポート(一時預かり、ファミリーサポートなど)、どんどん頼りましょう!親が一人で抱え込まず、休息をとることは、イヤイヤ期を乗り切る上で本当に重要です。

親の心身の健康と余裕が、子どもへの穏やかで建設的な関わりを可能にします。

魔法の言葉?! イヤイヤ期の赤ちゃんに響く声かけフレーズ集

頭では分かっていても、いざとなるとどんな言葉をかければいいか迷いますよね。具体的な場面での声かけ例をいくつかご紹介します。

例1:お着替えを「イヤ!」

つい言いがちなNG例

「早く着替えなさい!言うこと聞きなさい!」

おすすめの声かけ例

  • 「どっちのTシャツにする? 赤いしましま? 黄色い車さん?」(選ばせる)
  • 「お着替え、自分でやる? ママがお手伝いする?」(選ばせる)
  • 「どっちが早くお着替えできるか、競争だ!よーいドン!」(遊びに変える)
  • 「そっか、着替えたくないんだね。でも、お外行くにはお着替え必要だもんねぇ…」(気持ちに共感しつつ、理由を伝える)

例2:公園から帰りたがらない時

つい言いがちなNG例

「もう帰るって言ってるでしょ!置いていくからね!」(脅しは逆効果)

おすすめの声かけ例

  • 「楽しかったねー! じゃあ、あと3回だけ滑り台やったら、バイバイしようか?」(見通し+区切り)
  • 「おうちに帰ったら、〇〇ちゃんの大好きなおやつがあるよ!」(楽しみを提示)
  • 「ママと手をつないで、あの電柱まで競争しながら帰ろう!」(遊びに変える)
  • 「帰りたくないんだね。もっと遊びたかったね。でも、おなかも空いたし、また明日来ようね」(共感+次の約束)

例3:ご飯を食べたがらない時

つい言いがちなNG例

「好き嫌いしないで、ちゃんと食べなさい!」

おすすめの声かけ例

  • 「にんじんさん、〇〇ちゃんに食べてもらいたくて待ってるよ? パクッてしてあげない?」(擬人化)
  • 「どっちから食べる? お魚さん? ブロッコリーさん?」(選ばせる)
  • 「一口食べたら、アンパンマンシール貼ろうか!」(ご褒美作戦 ※やりすぎ注意)
  • 「そっか、今は食べたくない気分なのね。じゃあ、少しだけ食べてみる?」(気持ちを受け止め、ハードルを下げる)

例4:何を言っても「イヤ!」の時

おすすめの声かけ例

  • 「うんうん、イヤなんだね。」(まずはオウム返しで共感)
  • 「そっかー、イヤかー。」(ひたすら共感)
  • 「じゃあ、どうしたい? 教えてくれる?」(代案を促す)
  • (しばらくそっとしておく ※安全確認は怠らない)

 

ポイントは、「共感」「選択」「予告」「遊び心」です。そして、命令や否定、脅しはできるだけ避けること。もちろん、毎回うまくいくとは限りませんが、試してみる価値はありますよ!

イヤイヤ期は成長の証! 肩の力抜いて、一緒に乗り越えよう

1歳半頃から始まるイヤイヤ期。親にとっては、本当にエネルギーのいる、試練の時期かもしれません。でも、それはお子さんが**「自分」という存在を確立し、自立へと向かうための、とても大切な成長ステップ**なのです。

「ちゃんとしなきゃ」「言うことを聞かせなきゃ」と、親もつい完璧を目指してしまいがちですが、そんな必要はありません。うまくいかない日があって当然。時には感情的にぶつかってしまうことがあっても、後で「さっきはゴメンね、大好きだよ」と伝えられれば大丈夫。

イヤイヤ期のトンネルは、必ず終わりが来ます! 今はこの時期ならではの一生懸命な自己主張や、不器用ながらも「自分で!」と頑張る姿の可愛らしさにも目を向けながら、「大変だけど、成長してるんだな」と、少し肩の力を抜いて向き合っていけると良いですね。

決して一人で抱え込まず、パパや周りの人の助けも借りながら、そして何より、毎日頑張っているご自身のことをたくさん労ってあげてください。応援しています!