1歳児が頭を床に打ち付けるのはなぜ?自傷行為の原因とやめさせる対応・受診目安
1歳前後のお子さんをお持ちのママさん、パパさん、毎日の子育て本当にお疲れ様です!
ふとした時、お子さんのこんな行動に驚いたことはありませんか?
「壁や床に頭をゴンゴン打ち付けている」
「痛そうなのに、やめさせようとするともっと激しくなる」
まるで自傷行為のように見えて、「どこか痛いのかな?」「もしかして、ストレスが溜まっているの?」と不安になってしまいますよね。
大切なお子さんのことですから、心配になるのは親としてとても自然な気持ちです。
今回は、1歳頃に見られる「頭打ち(ヘッドバンギング)」の理由や、やめさせるための対応法、受診の目安について、一緒に考えていきましょう。
1歳児が頭を打ち付ける「ヘッドバンギング」とは?
1歳くらいのお子さんが、突然壁や床に頭をゴンゴンと打ち付ける姿を見て、驚いてしまうママさん、パパさんは少なくありません。
「何かの病気ではないか」「どこか痛いのかも」と不安になるかもしれませんが、これは医学的に「ヘッドバンギング(頭打ち)」と呼ばれる行動のひとつです。
多くの赤ちゃんに見られる一時的な行動
このヘッドバンギングは、実は珍しいことではなく、正常な発達過程でも起こりうる現象です。
特に男の子にやや多い傾向があると言われていますが、多くの子どもたちに見られる一時的な行動ですので、まずは落ち着いて様子を見てあげてくださいね。
いつから始まっていつ終わる?
一般的には生後半年~1歳頃によく見られるようになり、言葉の発達や身体の成長とともに、数ヶ月から数年で自然に消失することが多いとされています。
ほとんどの場合は3歳から4歳くらいまでにはおさまりますが、もし激しすぎて怪我が心配な場合や、長く続くようであれば、小児科や保健師さんに相談してみると安心です。
なぜ頭をぶつけるの?考えられる主な原因
1歳を過ぎたお子さんが、突然床や壁に頭を打ち付ける姿を見ると、ママさん、パパさんは「どこか痛いのかな?」「育て方が悪いのかな?」と不安になってしまうかもしれません。しかし、この行動は多くの1歳児に見られるもので、成長過程の一つである場合がほとんどです。
まずは落ち着いて、なぜそのような行動をとるのか、背景にある理由を探ってみましょう。言葉の発達段階や生理的な要因など、いくつかの可能性が考えられます。
言葉にできないイライラや葛藤
1歳頃は「自分でやりたい」という自我が芽生え始める時期ですが、まだ言葉が未熟なため、自分の気持ちをうまく相手に伝えることができません。伝えたいのに伝わらない、やりたいのにできないという「言葉が出ないもどかしさ」が爆発し、感情表現として頭をぶつけることがあります。
この場合、自分の中に生じた葛藤やイライラを、頭をぶつけるという強い刺激で解消しようとしていると考えられます。成長に伴い言葉が増えてくれば、自然と落ち着いてくるケースが多いですよ。
リズムを取って遊んでいる・眠気覚まし
感情的な理由だけでなく、単に感覚を楽しむ「自己刺激」として行っている場合もあります。頭を振ったりぶつけたりするリズムや振動が面白くて、遊びの一環として繰り返しているのです。
また、眠くなると頭をリズミカルに動かすことが「入眠儀式」になっているお子さんもいます。この場合は、眠りにつくためのルーティンのようなものなので、怪我の危険がなければそっと見守ってあげても良いでしょう。
身体的な不快感や気を引きたいサイン
心理的な理由以外に、中耳炎や歯の痛みなど「身体的不快感」の可能性もゼロではありません。耳を頻繁に触ったり、不機嫌が続いたりする場合は、痛みを紛らわせるために頭を打ち付けていることも考えられます。
また、以前頭をぶつけたときにママさんやパパさんが優しく駆け寄ってくれたことを覚えていて、「もっと自分を見てほしい」と親の気を引くために行っていることもあります。もし体調面で気になる様子があれば、迷わず小児科や耳鼻科、地域の保健師さんへ相談してくださいね。
自閉症スペクトラム症など発達障害との関連は?
子どもが激しく頭を打ち付ける姿を見ると、「もしかして自閉症スペクトラム症などの発達障害があるのでは?」と心配になってしまうママさん、パパさんもいらっしゃるかもしれません。
インターネットなどで検索するとそうした情報が出てくることもあるため、不安になるのは自然な親心です。しかし、この行動が見られるからといって、必ずしも発達に問題があるわけではありません。まずは落ち着いて、お子さんの様子を観察しましょう。
ヘッドバンギングだけで判断はできない
まず大切なことは、この行動だけで発達障害と診断されることはないということです。
言葉が未熟な1歳児にとって、不満の表現やリズム遊び、あるいは一時的な癖としてこの行動が出ることは珍しくありません。成長とともに自然と落ち着いていくケースも多いため、過度に不安を抱えすぎないようにしてください。
他にチェックすべき発達のサイン
発達の特性を考える際は、頭を打ち付ける行動単体ではなく、日常生活における他の様子と合わせて見ることが必要です。
例えば、次のようなサインが重なっていないか確認してみてください。
- 視線が合いにくい、目が合っても反応が薄い
- 興味のあるものや欲しいものを指差しで教えようとしない
- 名前を呼んでも振り返らないことが多い
- 言葉の理解や発語の遅れが気になる
もちろん、これらに当てはまるものがあったとしても、直ちに障害があるとは限りません。子どもの発達には大きな個人差があります。
正確な診断を行うには、専門家による総合的な判断が必要です。「なんとなく気になる」「育てにくさを感じる」という場合は、一人で悩まずに小児科や保健センター、地域の保健師さんなどに相談してみてくださいね。
頭を打ち付ける行動への基本的な対応・やめさせ方
お子さんが頭を打ち付ける姿を見ると、ママさん、パパさんは驚いてしまいますよね。「やめさせなきゃ」と焦る気持ちもわかりますが、まずは落ち着いて対応することが大切です。
ここでは、家庭ですぐに実践できる具体的な対処法をご紹介します。お子さんの安全を守りつつ、親子のストレスを減らすためのヒントにしてみてください。
安全を確保して見守る
最初に心がけたいのは、お子さんが怪我をしない環境を作ることです。フローリングの床にジョイントマットを敷いたり、よく頭をぶつける壁際にクッションを置いたりして、衝撃を和らげる工夫をしましょう。
大きな危険がない場所であれば、ある程度は見守っていても構いません。このとき、無理やり力ずくで止めないことが重要です。強く抑え込むと、子供がさらに興奮して逆効果になることがあります。
過剰に反応せず、静かに止める
子供が頭を打ち付けているとき、大声で「ダメ!」と叫んだり、慌てて抱き上げたりしていませんか?親が大きく反応すると、子供は「こうすれば構ってもらえる」「大人が注目してくれる」と誤学習してしまう可能性があります。
行動がエスカレートしないよう、できるだけ冷静に対応しましょう。危険な場合は、静かに手や座布団を差し入れて、頭を守ってあげる程度に留めるのがポイントです。
気持ちを代弁してあげる
頭を打ち付ける背景には、まだうまく言葉にできないイライラや、「わかってほしい」という要求が隠れていることが多いです。行動が落ち着いたら、お子さんの気持ちを代弁してあげましょう。
「もっと遊びたかったね」「痛かったね」「嫌だったね」と優しく声をかけ、共感してあげることで、子供の心は満たされやすくなります。気持ちをわかってもらえる安心感が、次第に行動を落ち着かせることにつながるかもしれません。
もし対応に迷ったり、自傷行為が激しくて不安を感じたりする場合は、一人で抱え込まずに小児科医や保健師さんへ相談してくださいね。
すぐに病院へ!怪我や病気が疑われる受診目安
1歳前後のお子さんが頭を打ち付ける様子は、見ているママさん、パパさんにとってとても心配なものですよね。多くは成長過程における一時的な行動ですが、中には怪我をしてしまったり、病気が原因で不快感を訴えていたりするケースもあります。
「このまま様子を見ていて大丈夫かな?」と迷うこともあるかと思いますが、お子さんの身体的な安全を守るためにも、次のような危険なサインが見られたらすぐに医療機関を受診するようにしましょう。
頭の怪我や脳への影響が心配な場合
激しく頭を打ち付けた直後や、しばらくしてから体調に変化があった場合は特に注意が必要です。もし以下の症状が見られるときは、脳への影響や深刻な怪我が疑われるため、ためらわずに救急外来や小児科を受診してください。
- 傷口から出血している、傷が深い
- ぶよぶよとした大きなたんこぶができている
- 何度も嘔吐を繰り返す
- 視線が合わない、ぐったりして意識がはっきりしない(意識障害)
- けいれんを起こした
頭部の怪我は外見だけでは重症度が判断できないことがあります。少しでもいつもと様子が違うと感じたら、決して自己判断せず医師に相談することが大切です。
中耳炎などの病気が隠れている場合
頭を壁や床にぶつけるだけでなく、しきりに耳を触ったり、頭を振ったりする様子は見られませんか?そのような場合、中耳炎などの耳の病気による痛みや違和感を訴えている可能性があります。
発熱を伴っていたり、機嫌が極端に悪く泣き止まなかったりする場合は、一度耳鼻科や小児科の受診を検討してみてください。病気が原因であれば、適切な治療を受けることで頭を打ち付ける行動が治まることもあります。
もし、夜間や休日で病院が開いておらず、すぐに受診すべきか迷ったときは、「#8000(子ども医療電話相談)」を利用するのも一つの方法です。小児科医や看護師などの専門家が対処法をアドバイスしてくれますので、焦らず落ち着いて相談しましょう。
発達面で心配な場合の相談先とタイミング
ヘッドバンギングの多くは成長に伴う一時的なものといわれていますが、どうしても「発達に問題があるのではないか」と不安になってしまうママさん、パパさんもいらっしゃると思います。
行動があまりにも激しかったり、言葉の遅れや視線が合わないなど他の発達面も気になったりする場合は、早めに専門家へ相談することで安心につながることもあります。少しでも心配なときは、決して一人で悩まないことが大切です。
1歳半健診や地域の支援センター
頭を打ち付ける頻度が極端に多かったり、出血やあざができるほど自傷が激しすぎたりする場合は、専門機関への相談を検討しましょう。
まずは身近な窓口として、地域の子育て支援センターや保健センターに相談してみるのがおすすめです。また、1歳半健診などの定期健診も、保健師や医師に直接話を聞いてもらえる良い機会ですので、日頃の様子を伝えてみてください。
専門家に相談する際のポイント
病院や相談窓口に行く際、言葉だけでお子さんの様子を正確に伝えるのは難しいものです。普段のヘッドバンギングの様子をスマートフォンなどで動画を撮っておくと医師や専門家に状況を伝えやすいので、可能であれば記録しておきましょう。
動画とあわせて、以下の点をメモしておくと診察がよりスムーズになります。
- どんなタイミングで始まるか(眠い時、叱られた時など)
- 1回あたりどのくらいの時間続くか
- 1日に何回くらい起こるか
- 呼びかけへの反応はあるか
ママ・パパ自身のメンタルケアも大切に
1歳のお子さんが自分の頭を激しく打ち付ける姿を目の当たりにすると、どうしても心がざわつき、大きな不安を感じてしまうものです。
毎日一生懸命に向き合っているからこそ、「止められなかった」「自分の対応が間違っていたのではないか」と悩んでしまうこともあるかもしれません。
しかし、どうか「育て方のせい」と自分を責めないでください。
お子さんのこうした行動は成長過程で見られるものであり、親御さんの愛情不足や接し方が原因ではありません。
また、目の前で繰り返される激しい行動に対して、イライラしたり悲しくなったりするのは、親としてとても自然な感情です。ご自身のその気持ちを否定せず、受け止めてあげてくださいね。
子育ては長期戦ですから、親のリフレッシュの重要性を忘れてはいけません。
ママさん、パパさんが心身ともに健康でいることが、結果としてお子さんの安心感にもつながります。
辛いと感じたときは、少しの間だけでも安全な場所でお子さんを見守りつつ距離を置いたり、信頼できる人に話を聞いてもらったりして、心を休める時間を作ってみましょう。
もし不安やストレスが大きくなりすぎて自分たちだけで抱えきれないと感じたときは、決して無理をせず、地域の保健センターや小児科医、子育て支援センターなどの専門家に相談することをおすすめします。
編集部の体験談:「痛くないの?」遊びで頭突きを繰り返す娘に試した、リアクション作戦
我が家の娘にも、1歳を過ぎた頃に『頭突き』にハマっていた時期がありました。
壁にもたれかかって座りながら、後頭部をゴンゴンと壁に打ち付けたり、お風呂に入っている時に不意に私に頭突きをしてきたり……。親としては『痛くないのかな?』と心配になりますが、本人はいたって上機嫌。どうやら、頭をぶつけた時の感触や音を遊びとして楽しんでいるようでした。
最初は慌てて止めていたのですが、制止するとかえって『パパやママが反応してくれた!』と面白がってエスカレートしてしまうことも。そのため、危なくない範囲で見守りつつ、基本的には好きにさせていました。
ただ、人に対して頭突きをしてきた時だけは、私が『あーん、痛いよ〜』と泣き真似をするなど、大げさにリアクションをとるように心がけました。『人にやると痛いんだよ』ということを、彼女なりの理解で少しずつ学んでほしかったからです。成長とともに自然と回数は減っていきましたが、あの頃の『ゴンゴン』という音は、今では懐かしい思い出の一つです。
よくある質問
頭を打ち付けて脳に障害が残ることはありますか?
1歳くらいの子どもが自分の力で床や壁に頭を打ち付ける程度であれば、通常、脳に深刻な障害が残ることは極めて稀だと言われています。子どもの頭は頭蓋骨や脳脊髄液によってある程度の衝撃から守られているためです。しかし、打ち所が悪い場合や勢いが強すぎる場合は注意が必要です。
特に、ベッドや椅子などの高い所から落ちて頭を打った場合や、頭をぶつけた後に「嘔吐する」「意識がもうろうとしている」「視線が合わない」といった症状が見られる場合は危険なサインです。直ちに医療機関を受診してください。普段と様子が違うと感じたら、迷わず医師に相談しましょう。
いつ頃になったらこの行動は治まりますか?
この行動がいつまで続くかは個人差が大きいものですが、一般的には言葉が増えて自分の気持ちを表現できるようになる3歳から4歳頃には、自然と消失していくことがほとんどです。言葉によるコミュニケーション能力が発達するにつれて、体を使って不満や要求を表現する必要が減っていくためと考えられています。
今は激しくて心配になるかもしれませんが、多くの場合は成長過程の一時的な行動です。焦らずに見守ってあげましょう。ただし、4歳を過ぎても頻繁に続く場合や、言葉の遅れなど他の発達面でも気になることがある場合は、一人で悩まずに地域の保健センターや小児科などで専門家に相談することをお勧めします。
痛くないのでしょうか?
大人が見ていると非常に痛そうで心配になりますが、子どもの反応は様々です。実際に痛みを感じて泣き出す子もいれば、頭をぶつけるリズムや振動を楽しんでいて、平気な顔をしている子もいます。痛くないわけではないでしょうが、遊びや癇癪で興奮状態にあるときは、一時的に痛みを感じにくくなっている可能性も考えられます。
また、感覚刺激を求めてわざとやっている場合もあります。基本的には見守って良いと言われますが、おでこに大きなコブができる、出血する、あざだらけになるなど、怪我の程度がひどい場合は、クッションマットを敷くなどの対策を行い、必要に応じて止めに入ったり医師へ相談したりしてください。
まとめ
1歳児が頭を床や壁に打ち付ける行動(ヘッドバンギング)は、成長過程でよく見られる一時的なものであり、過度に心配する必要はありません。実際にその行動が見られたときは、以下の点を意識してみてください。
- まずは安全を確保し、怪我や病気の兆候がないか冷静に観察する
- 発達への不安や育児のストレスが大きい場合は、一人で抱え込まず専門機関に相談する
毎日の育児、本当にお疲れ様です。ママやパパが心穏やかに過ごせるよう、少しでも不安なことは医師や保健師などの専門家に相談しながら、お子さんの成長を見守っていきましょう。

